オンラインの大学が多いとは言え、試験やレポートが多くてとにかく勉強時間が足りない時期ですよね。
全獣医学生は、限られた時間でより効率的に勉強する方法を知りたいはずです。
そこで今回は、皆さんが意外とやってしまっている暗記の効率を下げてしまう勉強法を、昼夜問わず脳科学の本を読みあさっている私が3つ紹介していきます!
音楽を聞きながらの勉強
音楽を聞きながら勉強する人は非常に多いと思います。
そういう人は、周りの音を遮り自分の世界に入れるため、集中しやすいと考えているのではないでしょうか。果たしてそれは本当なんでしょうか。
音楽は勉強効率を上げているのか
結論から言うと、音楽を聞きながらの勉強は効率を著しく低下させます。
イギリスのグラスゴー・カレドニアン大学の研究によると、
無音で勉強した人と比べ、音楽を聞きながら勉強した人の記憶テストの得点は約50%も下がります。
人間の脳は、2つのことを同時にこなす「マルチタスク」が出来ません。よく言われるマルチタスク思考、というのは、実はシングルタスクを高速で切り替えているだけなんです。
記憶や読解には脳の「言語」を処理する部分が使われます。
また、曲の歌詞を聞き取るのにも同じ脳の部分が使われます。
つまり、「勉強する」と「音楽を聞く」を同時に行っているように見えて、
実際は交互に処理を行っています。
結果、得点が半減したと考えられます。
みんな無音環境が適している?
中には、音がないと集中できないという人もいると思います。
そこで、こんな研究もありました。
無音環境では集中できないという生徒を集め2グループに分けます。
1つ目のグループには無音環境のまま勉強
2つ目のグループにはホワイトノイズ(テレビの砂嵐)を聞きながら勉強
結果は、ホワイトノイズを聞いていたグループの方が成績が上でした。
逆に、無音環境の方が集中できる生徒に同じ実験をしたところ、無音環境の方が成績が高いという結果が出ました。
つまり、自分がどちらのタイプか知ることが重要であるという事なんです。
1つの場所での勉強
大学生は家、図書館、カフェなど1カ所で何時間も勉強することが多いと思います。
結論、これは脳科学的には集中力を保つうえで非常に良いと言えます。理由を説明します。
場所を変えるだけで記憶力アップ!?
これは、アメリカのミシガン大学で行われた実験です。
まず、学生を4つのグループに分け、40個の単語を10分2回で記憶してもらいます。
Aグループは、地下の部屋で10分間を2回
Bグループは、窓部屋で10分間を2回
Cグループは、地下の部屋で10分間、その後、窓部屋で10分間
Dグループは、窓部屋で10分間、その後、地下の部屋で10分間
結果は、同じ場所で勉強したA、Bグループの平均点は16で正解率40%であったのにい対し、場所を変えたC、Dグループの平均点は24で正解率60%と有意に高かったのです。
同じ時間勉強をしたにもかかわらず、正解率が20%もアップするとは驚きですよね。
場所を変えたことにより、海馬にある「場所ニューロン」が活性化します。
海馬は記憶力を司る部位であり、この部分が活性化することで記憶力が上がります。勉強に疲れたら場所を変えてみるのは、非常におすすめできます。
スマホの使用について
勉強中に通知が鳴り、友達に返信
ついでにSNSをチェックし、ゲームのアプリを起動。気づいたら、2時間も時間が過ぎてた!
こんな経験はきっと誰にでもあると思います。ここでは、スマホが勉強に与える悪影響を紹介します。
スマホは勉強時間を無効化する!?
驚くことに、一日に勉強を2時間し、スマホを4時間使う学生よりも、一日に勉強を30分し、スマホを全く使わない学生の方が試験の成績が高いという研究結果があります。
要するに、1時間半以上の勉強時間がスマホにより無効化されています。
スマホを長時間使用すると脳の前頭葉と呼ばれる部分が、30分から1時間ほど機能が低下するといわれています。
前頭葉は情報の整理・処理・判断をする他に、集中に関与しています。
このため、前頭葉の機能が低下すると勉強効率も下がってしまいます。
勉強の休憩でついついスマホを使用してしまう人は多いかと思いますが、長時間の使用は勉強の悪影響になるので要注意です!
まとめ
以上、脳科学から考える暗記を妨げる勉強法でした。
音楽・場所・スマホの使い方を変えるだけで勉強効率が上がることが科学的にも明らかです。具体的に皆さんがやるべきことは以下の通りです。
①無音か雑音、どちらの環境下で集中しやすいのかを知る。雑音だったとしても声が入っている音楽はNG
②定期的に場所を変えながら勉強する。
③スマホは時間を区切って使用する。勉強と併用すると効率は著しく悪くなる。
是非とも皆さんも参考にしてみてください。
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