今回は「社労士」の方に、普段は聞かない&聞けない「お金」について聞いちゃいました!
そもそも社労士って…?
社会保険労務士(しゃかいほけんろうむし)は、労働関連法令や社会保障法令に基づく書類等の作成代行等を行い、また企業を経営して行く上での労務管理や社会保険に関する相談・指導を行う事を職業とする為の資格、およびそれを職業とする者をいう。
略称として「社労士」や「労務士」とも呼ばれる。
引用元:Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8A%B4%E5%8B%99%E5%A3%AB)
すごく簡単にいうと…
企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、企業の人材に関する国家資格を持った専門家さんです!
そんな社労士さんに獣医師の初任給について聞いちゃいました!
ぜひ最後までご覧ください(^-^)
国試勉強中の皆さんも、これからの皆さんも、やはり気になる、卒業後の就職先。
「早くからオペの経験がつめる!」
「先端医療に力を入れてる」など
選ぶ基準はそれぞれですが、求人を見ると最初に初任給に目が行く人も多いと思います。中には「初任給30万円!」なんていう魅力的なところもありますね。
でも、みなさん初任給の事ちゃんと分かってますか?
獣医学生は知っておいて!初任給のどこを見る?
獣医学生は知っておいてほしい、初任給の見るべきポイントを解説して行きます。
初任給の額は、様々な支給項目(主に基本給+各手当)を合計して決まります。
わかりやすい例として、架空の動物病院A院を例に見てみましょう。
動物病院A院:初任給286,875円
内訳(支給項目) | 支給額 |
基本給 | 210,000 |
通勤手当 | 10,000 |
住宅手当 | 20,000 |
固定残業手当(30時間分) | 46,875 |
魅力的なA院ですが、気になる点はありますか?
それでは、一緒にポイントを確認していきましょう。
初任給の注意点①:固定残業手当
まずは「固定残業手当」または「みなし残業手当」という支給項目。
初めて目にする方もいると思いますが、採用している病院も多いので是非覚えて
みて下さい。
A院をみると「固定残業手当30時間分」とありますね。
これは、「残業があってもなくても、30時間分の残業代は毎月支払いますよ」という意味です。
具体的には以下の通り
- 残業を全くしなかった月⇒30時間分の固定残業手当支給
- 残業を40時間した月⇒30時間分の固定残業手当+10時間分の残業代支給
「残業しなくてももらえる!決まった時間以上残業すれば、その分ももらえる!」
一見良さそうですよね。実際、きちんと運用されていれば問題ありません。
しかし皆さんはもう心配ないですが、従業員の知識がないのを良いことに、
「固定残業手当は残業しなくても払うけど、固定の時間以上働いても追加の残業代は出ないよ」
つまり、以下の通り、赤文字のところが違います。
- 残業を全くしなかった月⇒30時間分の固定残業手当支給
- 残業を40時間した月⇒30時間分の固定残業手当+残りの10時間分は無視
このように言う経営者が、度々問題になっています。
また、詳しくは次の項で説明しますが、「初任給を高くみせる」目的で利用するケースも多いです。
初任給の注意点②:基本給
次に基本給です。「基本給」は一般的に初任給の大部分を占め、
身近な例だと残業代(出ないところもある、なんて聞きますが法律違反です!)の計算に深く関わる重要な項目です。
残業代を計算する際には、「基本給」と「各手当」を足した額を基準とします。
しかし、この「各手当」には「通勤手当」「住宅手当」「固定残業手当」などは含みません(※一部例外あり)。
つまり基本給を低く抑え、その分「通勤手当」や「固定残業手当」などの割合を増やせば、初任給額を高く見せ、さらに残業代を少なくできる訳ですね。
A院の場合、初任給は30万円近くありますが、残業代計算の基準になるのは基本給21万円のみ。初任給がA院より低くても、基本給が21万円より高ければ、残業時間によってはA院より給料が高くなる!なんていう病院も決して少なくありません。
今後初任給を見るときは、額そのものでなく「支給項目」の内訳を是非確認してみて下さい。公表されてない場合、直接問い合わせてみても良いかもしれません。
「固定残業代」「基本給」・・・数字のカラクリに惑わされず、満足のいく就職先を見つけてください。
以上、社労士に聞いた獣医師の「初任給」の話でした!
どうだったでしょうか?
基本給を抑えて手当などで高く見せることができる、どれくらいの人が知っていたでしょうか?
就職先を探すために実習へ行き、どんなことが学べるのか、どのような雰囲気なのか、当然これらは大事なことですが、
「お金」についても少し気にしてチェックしてみることをオススメします。
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