・動物病院で働くイメージが知りたい女性獣医師の方。
獣医大学に通う学生の男女比率や学会等の参加者を見ても、最近では女性獣医師の存在は珍しくないものとなってきました。
しかし、獣医師の仕事というと忙しいなかバリバリ働いているイメージがありますよね。
特に動物病院で働く小動物臨床獣医師はそうだと思います。そんななかで、女性がやっていけるのか、なんとなく心配な方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、動物病院で働く現役の女性獣医師である筆者がどんなことで悩み、それにどういう対策をしているのか紹介します。
目次
動物病院で働く女性獣医師ならではの苦悩
体格
特に筆者が小柄だからかもしれませんが、体格による不自由さというのはあらゆる場面で痛感してきました。
大型犬の保定や駆血で上手く手が回らなかったり、手袋や術着がブカブカだったりしてよく困っていました。
体力
臨床獣医師の仕事は、体力勝負なところが結構あります。
動物病院で働いていると、朝から晩まで座る暇もない程バタバタと動き回り、深夜も入院動物の世話などに追われることも珍しくはありません。
働き始めの頃は一日中立っているだけでも辛くて、よく整体やマッサージのお世話になっていました。
「先生」として見られない
いくら国家試験を突破した獣医師と言えども、若い女性というだけで飼い主さんに下に見られがちです。
男性獣医師と同じ説明や治療をしているのにも関わらず飼い主さんに話を聞いてもらえない、信頼されていないような感じがするのには本当に困りました。
また、女性が多い愛玩動物看護師や受付スタッフも、同性だと話しやすい反面、慣れ慣れしいというか仕事の面でもなぁなぁな雰囲気になりがちなので、距離感にも悩みました。
反感を買いやすい
この仕事に限ったことではないのかもしれませんが、女性獣医師は男性獣医師よりも、優しさや気遣いを求められがちです。
舐められないように、距離感が近すぎないようにと頑張りすぎていると、飼い主さんや動物病院スタッフから「冷たい」「気取っている」などの反感を買いやすいため、コミュニケーションには非常に気を遣います。
動物病院で働く女性獣医師ならではの苦悩への対策
体格差への対策
保定は工夫次第でなんとかなります。どうしても難しい場合には、他の人にお願いして代わりに別の仕事を頑張りましょう。
術着や手袋は合わないものだと支障が出るため、勤務先の動物病院にお願いして、ぴったりのものを取り寄せてもらうことになります。
備品代が無駄にならないよう、しっかり技術を磨いて還元していくことが大切です。
体力のなさへの対策
立ち仕事の辛さは、シューズやインソール、着圧ソックスなどの対策も有効ですが、経験を積むにつれて徐々に慣れてきます。
しかし、根本的な体力向上のためには、筋トレなどを少しずつ取り入れていくのもおすすめです。
筆者は仕事が慣れてきた頃にジム通いを始めましたが、例えば隙間時間にスクワットを取り入れるだけでも体幹が鍛えられ、日々の診療が楽になります。
「先生」として見られないことへの対策
これは色々な本を読んだり先輩獣医師を観察したりして、自分に合った話し方や態度を研究していくしかありません。
動物病院スタッフとも、仲良くしても「お友達」にはならないような距離感を心がけることも重要です。
反感を買いやすい
獣医師としての信頼を得たり、人間関係を円滑に進めるためにも、不安を抱える飼い主さんに優しさや気遣いを見せたり、困っているスタッフに手を貸したりすることは大切です。
しかし、人のことばかりに気を取られて自分の仕事が疎かになったり、都合の良い扱いを受けたりしないよう、バランスにはくれぐれも気をつけてください。
まとめ
動物病院で働く女性獣医師には、体格差や体力のなさ、周りから軽く見られたり反感を買いやすかったりと、悩むことは多いかもしれません。
しかし、この仕事に誇りを持ち、自分を強く持っていれば越えられない困難ではないと思います。
いずれも、仕事で結果を出していくことで認められる部分も大きいので、上手く工夫しながら乗り切っていきましょう。
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