獣医師側から見た、ペット保険加入のメリット・デメリット

この記事はこんな人向け!
・ペット保険をどう説明すべきか知りたい人
・ペット保険って実際なに?という人

ペットを飼い始めると、保険に加入するかどうか迷いますよね。

いざと言うときには入っていた方が安心な気もしますが、月々の保険料の支払いを考えるとどうなんだろうと悩むこともあると思います。

逆に、あなたが獣医師の立場では、飼い主さんへペット保険についてどのような説明するでしょか?

今回は、動物病院で働く現役の獣医師が日々の診察の中で実感した、飼い主がペット保険に加入することのメリット・デメリットを紹介します。

獣医師側から見た、ペット保険加入のメリット

喜ぶ犬の画像

獣医師にとって、飼い主がペット保険に加入していることでどんなメリットがあるのでしょうか。

費用を理由に診療を断る飼い主が減る

「大切なペットのためならいくらかかっても構わない」という飼い主もいますが、「自分たちの生活も考えると、あまりペットにお金がかけられない」という方が多いのも事実です。

獣医師にとって、いくら知識や技術があっても費用が原因で適切な獣医療を提供できないのはとても悔しいことです。

高額な検査や治療でも勧めやすい

地域や施設によっても異なりますが、動物病院で働く獣医師は、診察に来る飼い主の懐事情を内心気にしています。

その飼い主にとって重荷となりそうな金額の検査や治療は勧めにくいからです。

しかし、獣医療の進歩によって高度な検査や治療が可能となった現在では、それに伴う費用も上がってきています。

最新の獣医療を費用を気にせず飼い主に提案できるのは、獣医師にとってはとてもありがたいことです。

診療費をめぐって飼い主と揉めずに済む

日々の診察の中で飼い主から、そんなにお金がかかるとは思っていなかった、なんでそんなに高いんだ、ボッタクリじゃないのか、などの言葉を投げられることがあります。

多くの動物病院では、血液検査・レントゲン・エコーなど、人の総合病院並みの検査機器を取り揃えています。

多くの動物病院スタッフは、決して多くはない給料で、長時間懸命に働いています。

そのような苦労の中、飼い主から心ない言葉をぶつけられるのはとても悲しいことです。

ペット保険に入っていることで、診療費の自己負担金額が抑えられ、もめることも減るでしょう。

ストレスなく治療に専念できる

経済的な理由で諦めることも、言われのない誹謗中傷を受けることもなく、自分の知識や技術を最大限に活かして獣医療に専念できるのは、獣医師にとって大変喜ばしいことです。

このように、診察や治療費にまつわるトラブルが軽減するのが、獣医師にとって飼い主がペット保険に加入することの最大のメリットです。

獣医師側から見た、ペット保険加入のデメリット

大量の書類の山

反対に、飼い主がペット保険に加入することによって、獣医師にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。

書類記入等の手間が増える

保険会社によって異なりますが、保険加入の際の健康診断書や、保険料請求のための書類に記入する必要があります。

中には記入に時間がかかるものもあるため、忙しい診療の合間に書き上げるのは大変です。

保険対象のものとそうでないものの区別が難しい

治療は保険対象だけど予防は対象外、お薬は対象だけど療法食は対象外など、保険会社によって補償の範囲が異なります。

動物病院で提携しているペット保険に関しては、診察時に獣医師が保険対象かどうかの判断を下すことがあるため、見極めが難しいです。

ペット保険会社からの問い合わせに応えるのが大変

その症例が保険対象かどうか疑わしい場合や、保険請求の際に不明な点があった場合、保険会社から直接動物病院に問い合わせがあったりします。

一歩間違えると保険金詐欺になりかねないので、身の潔白を示すためにも、この応対にはかなり慎重になります。

飼い主への説明に苦慮するケースがある

あくまでもペット保険は、飼い主と保険会社が契約するもので、動物病院がその内容に関与するわけではありません。

時折、補償の範囲や保険金請求の件で動物病院に相談やクレームに来られますが、それは直接保険会社と話してもらうことです。

このように、飼い主がペット保険に加入することで余計な負担が増えることが、獣医師側にとってはデメリットになります。

ペット保険加入を今一度考え直してみよう

ペット保険の案内

飼い主がペット保険に加入することは、獣医師側にとってはメリットもデメリットもあります。

何かあったときのことや、月々の保険料、契約内容などをよく考えた上で検討されてください。

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