・獣医師になるための海外留学について知りたい人
・動物の命を救う仕事に関心がある人
動物関連の仕事にはいろいろありますが、その中で獣医師という分野もあります。獣医師は病気になった動物や調子の悪いペットなどを治療したり補助したりする重要な職種です。
獣医師になるためには専門的な知識やスキルの習得もしなくてはならないので努力が必要ですが、その中で大学はどこを選択すればいいの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。人によっては獣医師になるために海外の大学への進学を考えることもあります。獣医師になるための方法について紹介します。
日本で獣医師になるためには?
日本で獣医師を目指しているなら「どのようにすればいいの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。獣医師になるためには資格を取得する必要がありますが、それには条件があります。どのようなポイントを押さえておくべきなのか紹介しましょう。
獣医師の資格を取得する
獣医師になるためには獣医師免許を取得する必要があります。獣医師免許は国家資格になるため、大学に進学して受験資格を満たすようにします。基本的に獣医学の正規の過程6年制を修めて卒業すれば受験資格を得ることができますが、そのためには大学への進学が必須です。他の資格のように専門学校や独学、短期大学への進学で獣医師を目指すことはできないため、高校卒業後に獣医学のある大学へ進学し、まずは必要な知識の習得と共に受験資格を得るようにしましょう。
費用はどれくらい準備すべきか
大学を進学するときに獣医学を専攻する必要があるため、選択は慎重に行う必要があります。ただ、国内では獣医関係の大学は17校しかないため多くはありません。大学がある場所も北海道や東京、神奈川などであり、地方だ限られているので、自分の住んでいる場所だと引越しが必須です。
大学によって難易度は違うと言われていますが、低いレベルでも一部の医学部よりも高いため、勉強して基準を満たしておくことが大事です。そして、大学の費用は私立と国立、公立によって違ってきます。
私立の場合は大体6年間で1,000万円以上の学費が必要であり、国立になると約350万円、公立は460万円です。私立の方が他の大学よりもかなり学費が高い設定になっているため、節約したいなら他の大学進学を考えるべきですが、難易度の高さなども関係しているため、よく考えて選択してください。
資格取得の難易度とは?
獣医師になるためには資格が必要ですが、どれほどの難易度になっているのか知っておきたいでしょう。獣医師国家資格の合格率は80%ほどになっているため、大学でしっかり勉強していれば取得は難しくありません。
獣医師免許の取得よりも、高校から大学に進学する際の受験勉強が難しいと言われることもあります。ただ、合格するためには法令や生理学、薬学、病理学、衛生学、感染症など、いろいろな分野の知識を身に付ける必要があります。甘く見ていると落ちる可能性もあるため、気を引き締めて臨むようにしましょう。
海外で獣医師になりたい場合
獣医師として国内だけでなく海外で活躍したい人もいるでしょう。外国で働くことを考えているなら獣医師は1つの選択肢になりますが「海外で働くことはできるの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。海外で獣医師になるために抑えておくべきポイントを紹介しましょう。
日本の免許だと海外で獣医師として働くことはできない
日本の大学に進学して獣医師免許を取得したとしても、海外では通用しません。日本での獣医師免許は国内のみしか利用できないため、もし外国で働きたい場合はその国で受験して新たに資格を取得する必要があります。また、海外で取得した獣医師免許も同じく日本では利用することができません。国家資格ですが国によって内容や条件に違いがあるため、それぞれの場所で合格しなくてはいけません。そのため、海外で獣医師として働く場合は再度受験をするようにしましょう。
国のルールに沿って基準を満たすようにする
日本で獣医師免許を取得しても外国で働きたい場合は、その国のルールを満たして獣医師として活動できるようにすべきです。国によって基準は違いますが、もしアメリカで働きたい場合は北米の獣医師免許を取得することもできます。ECFVGプログラムという資格認定証明書の取得を行う必要があるため、必要な段階をクリアしていくべきです。プログラムの過程として
・獣医大学の卒業証明の書類提出
・英語試験に合格する
・筆記試験を受けて合格する
・臨床試験に合格する
・資格認定証明を取得
という流れです。
この認定証を得ることができれば、北米の州であれば獣医師免許を取得することが可能です。まずは、この過程を1つずつクリアして獣医師への道を目指しましょう。
ECFVGは他の国でも取得可能
ECFVGプログラムをパスすることができれば、アメリカ以外の国でも獣医師免許の取得が可能となります。認められているのはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドであり、合わせて4カ国で獣医師として働くチャンスをもらえます。
アメリカだけではなくオーストラリアなど他の国で働くことも考えているなら、このプログラム過程を受けておくのはおすすめです。日本獣医学会の公式サイトでプログラムの内容について説明もされているため、関心があるなら確認してみることもできるでしょう。
海外の大学はどこを進学することができるのか?
海外で獣医師として働くなら外国の大学進学を考えてみることもできます。高校から海外の大学へ進学すればプログラム過程もスムーズに行いやすいでしょう。国ごとに大学も特徴があるので、それぞれ紹介しましょう。
最先端の知識を得られるアメリカ
アメリカの大学で獣医師になることを目指すことも可能です。アメリカの場合は獣医学校が大学院にあるため、まずは4年制の大学で必須科目を取得して単位を取得する必要があります。その後に全米共通試験を通過して獣医大学院へ願書を提出し、合格することで獣医学生になることが可能です。
大学院では2年の前半は基礎科目を学習して後半の2年が実習中心となり、4年間で必要な知識とスキルを習得できるようにします。日本は大学で6年制ですが、アメリカの場合は大学と院生を含めれば8年間も勉強することになるため、勉強漬けの毎日になることが予想できるでしょう。
しかし、アメリカの獣医学校は多くが世界ランキングでも上位に表示されており、知識とスキルは高度なものが学習できる期待があります。もし、獣医師として高度な技能を得たいなら進学を考えることができるでしょう。
獣医学校が4校しかないフランス
フランスで獣医師として働くためにも大学へ進学する必要があります。ただ、フランスの場合は4校のみは獣医学校とされており、パリ近郊のアルフォール大学、リヨン獣医学校、トゥールーズ獣医学校、ナント獣医学校です。獣医学校自体は少ないですが、毎年460名ほど学生が入校しており、受験を考えてみることができます。
しかし、獣医師になるためには、まず「バカロレア」と言われる共通資格試験を通過する必要があり、その後に獣医大学志望者の準備学校に2年間通い、2回だけ獣医大学へ進学する試験の受験が可能です。
つまり、フランスでは獣医大学に行くために共通試験と準備学校という過程を踏まなくてはいけないため、資格を得るだけでもかなりの学習時間が必要です。また大学でも7年間学習する必要があるので、合計で9年間学習しなくてはいけません。フランスは獣医師の地位が医者よりも高いと言われているため、獣医師になるのはかなり難易度が高いです。
くじ引きで入学者を決定するオランダ
オランダの獣医学部は1校のみとなっており、国立ユトレヒト大学のみです。定員は毎年220名ほどと決まっているため、入学できる生徒数はかなりし絞られています。ただ、入学しれくる希望者は毎年1,000人を超えており、かなり定員割れしています。
そのため、合格者をくじ引きによって決定しており、女性生徒が7割を超えているようです。オランダの大学では運任せのような部分があるので、大学進学自体が難しい部分もありますが、ユトレヒト大学は世界ランキングで3位にランクされたこともあるため、権威としては期待度が高いと言えるでしょう。
海外で獣医師免許を取得したなら日本ではどうなる?
もし、海外で獣医師免許を取得しても日本で資格を持っていないようなら、国内で獣医師免許を取得する必要があります。ただ、日本で獣医師国家試験を受ける条件として「外国の獣医師学校を卒業して、その国の獣医師免許を持っている者」とも定められています。つまり、すでに外国で獣医師免許を持っているなら日本で大学に行かずに、国家試験を受けることが可能です。海外で活躍したい人も、この点はしっかり押さえておくのがおすすめです。
海外と国内どちらかを選択しよう
獣医師になるためには必要条件を満たす必要がありますが、国内と海外では違いもあります。そのため、どちらが自分にとって都合が良いのか目的に合わせて進路を考えることが大事です。ベストな選択を行えるようにしてください。