私立獣医大学を全6大学まとめてみた!

今回は私立獣医大学、全6大学の特徴について書いていきます。

 

酪農学園大学

酪農学園大学は北海道江別市にある大学です。

江別市は札幌の隣にある市で酪農学園大学から札幌駅まで電車で約20分ということで都心へのアクセスもいいです。2群5学類からなります。学部学科ではなく学群学類という分類の仕方はあまり馴染みがないですが、有名どころでは筑波大学もこの分類方式をとっています。総面積は約135haで東京ドーム28個分で、その広さを生かし170頭もの乳牛を飼育しています。

付属動物病院は年間診療頭数全国No1で犬や猫などの伴侶動物で年間約11,000件、牛や馬などの生産動物で約17,000件程です。

また、学生3人に担当教員1名がつくという「アドバイザー制度」をとっており、学生に対する配慮が充実しています。制度をとっており、学生に対する配慮が充実しています。

▼引用元▼
酪農学園大学 公式Twitterより
https://twitter.com/rakunogakuen

 


北里大学

北里大学は相模原キャンパス、白金キャンパス、十和田キャンパスの3つからなります。獣医学部では1年次では神奈川県の相模原キャンパスで学び、2年次から青森にある十和田キャンパスで学びます。

北里大学は1962年、北里柴三郎が1914年に創設した北里研究所の50周年記念事業の一環として創設されました。北里柴三郎は破傷風菌の純培養、血清療法の確立、ペスト菌の発見といった功績を残したことで有名です。
また、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智先生も北里大学特別栄誉教授であり、研究大学としても有名です。

7学部15学科で構成され、獣医学部、医療系学部(医学部、薬学部、看護学部、医療衛生学部)、海洋生命科学部が協力した「農医連携プロジェクト」というものも行なっています。

付属動物病院では小動物診療センター、大動物診療センターの2つがあり、付属フィールドサイエンスセンターでは十和田農場、八雲牧場を有しています。 

また、卒業生が多く、全国獣医師の約10人に1人が卒業生と言われています。

十和田キャンパス

▼引用元▼
北里大学 公式HPより
https://www.kitasato-u.ac.jp/jp/index.html
十和田市 公式HPより
http://www.city.towada.lg.jp/

  


麻布大学

麻布大学は神奈川県相模原市にあり、獣医学部、生命・環境科学部の2学部からなります。

日本の獣医系大学では最多の38もの研究室を有しています。

カリキュラムは

1.基礎獣医学系(動物や生命の基礎)
2.病態獣医学系(様々な病気の成り立ち)
3.環境獣医学系(動物と地球環境)
4.生産獣医学系(牛や豚などの産業動物)
5.臨床獣医学系(動物の診療や治療)

という5つの分野から多角的に学ぶことができます。

隣接する獣医臨床センター(附属動物病院)、産業動物の診察・実習ができる産業動物臨床教育センター(LAVEC)があり、産業動物臨床教育センターは非常に開けた空間で綺麗です。大学校内に馬、牛、羊、犬、猫などたくさんの動物がおり、実習が多く充実しているのも1つの特徴です。2015年で125周年を迎えたにも関わらず、学部棟、研究室など、とても綺麗です。

産業動物臨床教育センター

▼引用元▼
麻布大学 公式HPより
https://www.azabu-u.ac.jp/

 


日本大学

日本大学生物資源学部獣医学科は神奈川県藤沢市、湘南キャンパスにあります。湘南キャンパスには、動物病院(ANMEC)を始め、動物医科学研究センター、解剖・病理実習室、臨床実習室、付属農場、博物館まであります。

動物病院では高エネルギー放射線治療装置と呼ばれる、癌細胞に放射線を狙い撃ちする装置やMRI、マルチスライスCT撮影装置などヒトの総合病院に匹敵する優れた医療機器の多くが揃っています

学生は5年次に動物病院内で臨床実習を行い、実際の症例に触れながら、高度な獣医療を体験することができます。

博物館には30,000点もの収蔵物が保管されており、神奈川県下の大学で初めて「博物館相当施設」の指定を受けています。獣医学科に関係のある野生動物や家畜、鳥類の剥製・骨格標本はもちろんのこと、昆虫、森林・海洋関連、そして農機具・植物関連の標本も多数展示されています。

画像はシロサイの骨格標本です。このサイはミスチルのジャケットに使われたそうです。

驚きです…笑

▼引用元▼
日本大学 Twitterより
https://twitter.com/nichidai
日本大学 公式HPより
http://www.nihon-u.ac.jp/

 


日本獣医生命科学大学

日本獣医生命科学大学は東京都武蔵野市にある大学です。獣医学部、応用生命科学部からなり、獣医学部は獣医学科と獣医保健看護学科からなります。日獣という略称で親しまれています。

三年次に魚病学実習があるのが1つの特徴で、学生は実習を通じて診断・治療に必要な技術を身に付けます。日獣には獣医には珍しい水族医学研究室があり、水生動物に発生する様々な病気について観察して調べるほか、遺伝子を用いた方法や免疫系を調べる方法で研究しています。海獣類を含む水族館飼育動物や観賞魚の健康管理の技術についても研究しています。

また、野生動物学研究室もあり、外来種問題や野生動物の管理問題など野生動物に関する様々な問題を科学的に捉えて研究しています。
研究室所属学生は野外での調査実習を行い、研調査研究に取り組むにあたって必要な知識や技術を身につけています。獣医大では牛、豚といった産業動物や犬、猫の伴侶動物を扱う機会はありますが、野生動物医学を学ぶ機会は少ないです。

野生動物に関する問題の解決は非常に難しい点があるので非常に良い役割を担っているのではないでしょうか。

  情熱大陸で話題になった釧路市の猛禽類学研究所の齋藤慶輔先生も日本獣医生命科学大学(当時、日本獣医畜産大学)出身です。

▼引用元▼
日本獣医生命科学大学 公式HPより
http://www.nvlu.ac.jp/
猛禽類医学研究所 スタッフ紹介より
http://www.irbj.net/about/staff.html

 


岡山理科大学

私立獣医大学まとめ、最後は岡山理科大学獣医学部です。メディアで引っ切り無しに報道されていましたが、ここでは他の獣医大学とは違った特色について書いていきます。

岡山理科大学獣医学部は愛媛県今治市に新設され、2018年、1期生となる獣医学科147人、獣医保健看護学科39人が入学しました。

入学式で、柳沢康信学長は「エボラ出血熱、SARS(新型肺炎)など動物から人に感染する病気に獣医師が関わるようになった。動物と人の健康を科学する新しい使命に応える人材を育成したい。」と式辞を述べたとのことです。

岡山理科大学の特徴として

1.動物から人へ
2.チーム獣医療
3.危機管理の学術支援拠点
4.国際対応のできる獣医師ならびにVPPの育成

をあげています。(公式HPより抜粋)

 

1.人から動物へ。というのは感染症、新薬開発、予防・治療は人も動物も共通するという考えで、人と動物の研究を科学する教育を意味しています。

2.チーム医療はチーム獣医療の発展に貢献する獣医師やVPPを育成を目指しています。チーム獣医療というのに馴染みがないかもしれません。チーム獣医療はチーム医療の獣医バージョンで一人の患者(患畜)に複数の医療専門職が連携して、治療やケアに当たることです。VPPはベテリナリー パラプロフェッショナルといい、獣医領域で獣医師の指示と連携のもとに、獣医師ともに獣医事に携わる専門家のことを指します。

3.危機管理の学術拠点では唯一、四国にある獣医大学として、水際対策のできる獣医師とVPPの育成を目的としています。

 

岡山理科大学獣医学部が掲げる特色を見るにやはり、不足する産業動物臨床、公衆衛生分野に関する獣医師の育成に焦点を当てています。

新設に関しては、様々な意見が飛び交いましたが、小動物臨床医が飽和状態だと謳われる昨今、岡山理科大学獣医学部がどういう役割を担っていくのかが楽しみです。

▼引用元▼
岡山理科大学 公式HPより
http://www.ous.ac.jp
毎日新聞 岡山理大 新学部 今治に獣医学部、事業者は加計学園 来年4月開学へ今春着工より
https://mainichi.jp/articles/20170113/ddl/k38/100/601000c

 

以上、私立6大学のまとめでした!

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