・将来的に臨床獣医師を考えている人
・すでに辛いと感じている獣医師
動物病院の獣医師と聞くと、なんとなく「忙しそう」「動物の生死に関わるのは大変そう」「常に勉強しなきゃ」というイメージがあるかもしれません。
今回は、動物病院に勤務している筆者が、実際に働き始めて感じた10の辛いことと、それに対して具体的にどんな行動をしてきたのか、お伝えします。
目次
動物病院の獣医師になってみて感じた10の辛いこととその対策
動物病院の獣医師になってみて実際に感じた辛いこととその対策を10個ずつ、ぞれぞれご紹介していきます。
1. 長時間同じ姿勢でいる
動物病院での仕事は、診察や手術などで同じ姿勢でいることが意外と多いです。
その結果、腰や首を痛めたり、足が浮腫むなどの症状に悩むことがあります。
働き始めの頃は、整骨院やマッサージなどのお世話に良くなっていましたが、筋トレやストレッチ、ホットヨガ、サウナなどを定期的に行うことでかなり改善されました。
2. ケガが多い
診察中に動物に噛まれたり引っ掻かれたりしてケガをすることが時々あります。
ケガをすると痛いのはもちろんですが、業務に支障が出たり、飼い主が恐縮して診察に来なくなったりすることもあるので、なるべく避けなければなりません。
対象の動物がパニックになったり暴れたりする前に適切な処置が行えるよう、正しい保定を勉強したり、動物に対する観察眼を養うことが大切です。
3. 感染症のリスク
動物病院で働く獣医師や愛玩動物看護師は、人獣共通感染症にかかるリスクを常に抱えています。
様々な感染症に対する正しい知識や手洗い、消毒法などを身につけておく必要があります。
4. 人間関係
多くの動物病院では、少人数で長時間同じ空間で働くため、スタッフ間での人間関係を円滑にしておくことが非常に大切になります。
働き続けることで慣れてくる部分もありますが、ある程度の勉強も必要です。
5. 感情労働
動物病院に来るのは、健康な動物ばかりではありません。時には飼い主の怒りや悲しみに寄り添いつつ、冷静な診療を心がけることが必要です。
これには専門的な知識の他に、傾聴スキルを磨いたり、対人援助職向けの本などから勉強したりしました。
6. 急な呼び出し
動物病院で働いていると、入院動物の急変や急患の来院などにより、夜間や休日に突然呼び出されることがあります。
働き始めの頃はこれが怖くて遠くへ外出できなかったりしましたが、今ではある程度予測したり、他院への紹介を含め、適切な対応ができるようになったので、以前ほど身構えなくて済むようになりました。
7. 拘束時間の長さ
動物病院で働くと、外来の診察、手術、入院動物の世話、院内外での勉強会と、仕事のために取られる時間が圧倒的に長くなります。
様々な時短術や隙間時間の活用法を学ぶことで、家事や趣味に割く時間を作り出すことかできます。
8. 遊ぶことへの罪悪感
日々悩みを抱える飼い主や病気に苦しむ動物たちを相手にしていると、自分が休日のときでも遊んだり楽しんだりしていて良いのだろうか?という罪悪感が生じてきます。
獣医師として長く臨床の場に立ち続けるためには、それはそれとして上手く切り替えていく力も大切になってきます。
9. 症例への自責の念
難治症例や予後不良の症例と出逢うと、本当にこの治療法しかなかったのだろうか、もっと出来ることはかないのだろうかと悩むことがよくあります。
目の前の動物のために色々と手を尽くすことは大事ですが、自分を追い詰めすぎても良いことはありません。
どんな症例であっても、自分なりにベストを尽くした診療を続けていくしかないです。
10. 割に合わない給料
動物病院の勤務獣医師の収入は、生活が出来ないほど苦しいわけではありませんが、仕事内容や労働時間、それに伴うプレッシャーや責任感などを考えると割に合わないと思います。
身の丈に合った暮らしとは何かを考えながら、その中での幸せを模索していくしかありません。
動物病院での獣医師の仕事には工夫が必要
動物病院での獣医師の仕事は、想像以上に心身疲弊します。
それでも治療の甲斐あって担当した症例が元気になったり、飼い主から感謝されると嬉しくなります。
小さな頃から憧れていた、大変やりがいのある仕事だし、なるべく続けていけるよう、色々工夫しながら乗り越えていきたいと思っています。
この記事を読んでくださった方が少しでも現実を知った上で、楽しい獣医師ライフを送れることをお祈りします。
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