人気の高い厩務員の仕事、馬のお世話をするという事は理解されていても、具体的な仕事内容は余り知られていませんので、その内容について詳しく説明してきます。
目次
厩務員の具体的な仕事内容
厩務員の仕事は縁の下の力持ち。馬をしっかりと管理するために、どんな仕事内容なのかを解説していきます。
馬の体調管理
とにかく朝早い仕事なので忍耐が必要で午前2時頃には起床し、すぐに自分の担当する馬がいる厩舎に行き、体調に異常がないかを確認します。馬をよく観察し、万が一、異変を見つけた際には厩務員が応急処置をして、獣医師に治療を依頼します。早期に病気や異変を発見する細かな観察力は厩務員の仕事にはとても重要です。
馬の馬房管理
馬が練習から戻って安心して休めるように、また感染症や病気など起こさないよう衛生面に注意し、馬房と呼ばれる馬の部屋を常に綺麗な状態に保つ事が大切。
大きな体を持つ馬の部屋はフンや尿などで汚れやすく、毎日綺麗に掃除し新しい藁を入れ替える体力も必要になる大変な仕事です。
馬の食事管理
馬は1日3回、食事は主に飼い葉ですが、馬ごとに中身に違いがあり、調教師からその馬に合った飼い葉を配合したメニューの指示を受けて食事を与えていきます。
間違うことがあれば馬の体調を崩す原因にもなりかねないため、集中力も必要な仕事です。
馬のウォーミングアップとクールダウン
調教に入るには担当する馬に馬装という馬具をつけ、ケガをしないよう馬に乗り、軽く歩かせたり、調教前の準備運動も厩務員の仕事内容に含まれます。
もちろん調教後もクールダウンのため騎乗した担当馬を歩かせる事も行うため、常に馬に寄り添い状況を把握しケアをしていくきめ細かな心使いと厩務員自身の体力も必要とされます。
身の回り以外の仕事内容
人間とのコミュニケーションはとても大切。
厩務員の存在が無ければ大きなレースに安心して出場することはできません。身の回り以外にどんな仕事内容があるのか説明していきます。
馬とのスキンシップ
厩舎に戻ると汗で汚れた馬の体をシャワーで流し、マッサージをしたり手入れをしながら馬の状態を確認します。
担当馬は1頭というわけではないので、1頭1頭愛情をもって、馬とのスキンシップを図る事もケアの一つ。
馬とのコミュニケーション
厩務員が作業していると馬の方から鼻をつついたり、上着を引っ張ったりと甘える事もあります。馬との遊びに付き合うのも仕事の一つ、厩務員に向ける馬の表情はまた別で厩務員から注がれた愛情は馬にとって最高のビタミン剤になるのです。
このように厩務員の仕事内容は多岐にわたり、大きな馬の食事の世話や掃除に限らず、毎日の健康管理や精神状態も把握し、常に安心してレースに出られる状況を作り上げる仕事になります。
住み込みで厩務員の仕事をする人や、馬房の近くに住みながら馬のお世話をする人、常に近い居場所から馬を見つめる仕事です。
馬が好きでなければ出来る仕事ではなく、その反面馬が好きだけでも出来る仕事でもありません。責任感のある人でなければ厩務員の仕事を勤めることは出来ません。
ペットではなく勝負の世界で生きるアスリート、ふとした油断で大事故に繋がる可能性もあり、馬との信頼なくしては出来る仕事ではありません。