水族館飼育員の給料・仕事内容とは?

この記事はこんな人向け!
・水族館飼育員に興味がある人
・水族館飼育員の給料・仕事内容について知りたい人
・水族館関連の仕事を知りたい人

日本は「水族館大国」と言われるほど水族館の数が多い国です。

全国には多くの水族館があり、多種多様な水生生物や海洋生物の展示を見たり、ふれあうことができる、子供から大人まで楽しめる大人気のスポットになっています。

そんな水族館で働いている水族館飼育員は、どれくらいの給料なのか、どのような仕事内容なのかを見ていきましょう。

水族館飼育員の給料・仕事内容は?

水族館飼育員の給料

水族館飼育員の全国平均年収は344.1万円です。

全国平均年収は436万円のため、それと比べると低い水準であると言えます。

水族館には公営と民営があります。公営の場合、正社員の飼育員は公務員となるため、地方公務員試験に合格する必要があります。

地域により給料は変わりますが、その地域の公務員の給料に付随した額になるため、民営と比べ給料が高い傾向があります。

しかし公営の水族館でも、民間に経営委託しているケースや第三セクターで運営しているなど例外もありますので、その水族館で公務員として勤務できるのか、よく調べることが必要です。

民営の場合は公営に比べ給料の水準が低い場合が多いですが、人気のある水族館の場合は飼育員の全国平均年収以上の給料のところもあります。

水族館飼育員の平均年齢は46.6歳で、年代別に見てみると、

・20歳代 平均296万円

・30歳代 平均314万円

・40歳代 平均348万円

・50歳代 平均367万円

となっています。

またハローワークでの令和2年度の求人統計データでは、求人賃金は月額21.1万円となっています。

(出典:・令和3年賃金構造基本統計調査  https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

    ・厚生労働省職業情報提供サイトjobtag  https://shigoto.mhlw.go.jp/User/)

このように水族館飼育員の給料は全国平均から見ると水準が低い場合が多いです。

しかし求人がでると、応募が多く寄せられ狭き門となる人気の職業です。

給料の高さより、仕事内容ややりがいに魅力を感じている人が多いようです。

水族館飼育員の仕事内容

水族館飼育員の主な仕事には、飼育されている海洋生物や水生生物の世話・健康管理・調教・水槽の水質管理・清掃、接客などがあります。

別名で「水族館養魚作業員」と呼ばれています。

世話の内容としては

・餌の調理、給餌量の計算

・給餌

があります。食性の異なる生物が多数飼育されているため、種別の食性に合わせ餌を準備しなくてはなりません。餌となる魚を捌いたり、餌の量が多すぎて水質が悪化することのないよう給餌量を調節します。

健康管理では

・病気の兆候を示す個体はいないか

・産卵行動の有無

など毎日細かくチェックし、少しでも普段と違うことがないか観察し、何かあればすぐ獣医師に報告します。

水生生物や海洋生物がなるべくストレスなく過ごせるよう、開園前や閉園後にも水槽内をよく観察し、水槽内の生物の量やバランスを保ち、適切な環境を整える必要があります。

イルカやアシカなどのショーを行う水族館では、調教やショーの演出など準備などの仕事もあります。

水質管理も大変重要です。水槽の循環システムが正常に稼働しているかを点検し、水槽内を常に清潔に保つことは健康管理に欠かせない仕事です。

また海や川に出向き、生物の採集や調査、研究に携わることもあります。

水族館には展示のほかにも、学校の遠足などで利用されるなどレクリエーションや環境学習の目的もあるため、利用者に合わせたさまざまな仕事があります。

来客者の前で、海洋生物や水生生物の生態や水族館の役割についてなど解説することもあります。

また近年は展示方法の多様化が進み、より自然の状態に近い展示や見る人を楽しませる工夫を求められており、集客のためさまざまな取り組みが行われています。イベントを企画したり時期によって展示を変化させるのも水族館飼育員の仕事です。

水族館飼育員になるには

主なルートとしては、普通科や水産系高校を卒業後、生物・水産・海洋系の大学や短大、専門学校を卒業し、就職する人が多いようです。高校卒業後にそのまま就職するケースもあります。

水族館飼育員になるのに特別な資格は必要ありませんが、専門的な知識が必要とされるため、水産生物学や水質学、養殖学などのカリキュラムがある学校に求人が出る場合が多いです。

また水族館飼育員の求人は、水族館が新設される場合や欠員が出たときに募集されるため求人数は多くなく、かつ人気が高いため競争率が高いと言われています。

資格は必須ではありませんが、国家資格である潜水士や学芸員の資格を持っていると就職に有利な場合もあります。

水族館飼育員の給料は、地域によって差がある?

全国の水族館の数

私たちが普段、「水族館」と呼んで親しんでいる施設としては大体150箇所前後あります。しかし水族館には、どのような基準でその施設を「水族館」と呼ぶのか、という厳密な定義がないため、正確な数は不明です。

日本には「公益財団法人日本動物園水族館協会(JAZA)」という水族館の業界団体があり、そこで定められた基準をクリアし、国内で認定されている水族館は50箇所ほどあります。

しかしJAZAには、新江ノ島水族館など世間で「水族館」として認知されている施設でも加盟していないケースもあり、正確な水族館の数ははっきりしていません。

同様に世界の水族館の数も正確な数はわかっていませんが、大体500箇所前後だと言われています。その数だけを見ても、日本がどれだけ水族館の数が多い国かということがわかります。

ちなみに水族館飼育員として就業している人の数は、全国で37860人ほどです。

地域別・水族館飼育員の給料

日本全国に大小さまざまな水族館がありますが、地域によって水族館飼育員の給料は異なります。

水族館飼育員の全国の平均年収は344.1万円ですが、地域別にどれくらい差があるのか見ていきましょう。

給料(年収)

・北海道 255.1万円

・青森  244.1万円

・岩手  322.6万円

・宮城  321.9万円

・秋田  340.6万円

・山形  389.1万円

・福島  345.5万円

・茨城  468.1万円

・栃木  376.5万円

・群馬  367.5万円

・埼玉  430.2万円

・千葉  274.3万円

・東京  450.6万円

・神奈川 457.3万円

・新潟  344.8万円

・富山  363.7万円

・石川  365.4万円

・福井  360万円

・山梨  274.3万円

・長野  384.3万円

・岐阜  311.7万円

・静岡  361.5万円

・愛知  410.8万円

・三重  372.9万円

・滋賀  402.4万円

・京都  421.7万円

・大阪  400.2万円

・兵庫  321.1万円

・奈良  233.5万円

・和歌山 255.8万円

・鳥取  343.6万円

・島根  372.3万円

・岡山  334.5万円

・広島  285.3万円

・山口  289.5万円

・徳島  367.7万円

・香川  262.7万円

・愛媛  335.4万円

・高知  456.2万円

・福岡  391.6万円

・佐賀  237.3万円

・長崎  274.8万円

・熊本  259.4万円

・大分  333.4万円

・宮崎  295.4万円

・鹿児島 338.3万円

・沖縄  263.7万円

(参照:厚生労働省職業情報提供サイトjobtag https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/224)

このように地域別で見ていくと、茨城県が最も給料が高く、奈良県が最も給料が低い水準となっています。

人気の水族館がある地域や、比較的都市部の方が給料が高めに設定されているようです。

水族館飼育員の給料は、全国平均からすると低い水準にあるといえます。

人気の職種ではありますが、土日祝日やゴールデンウィーク、お盆といった他の多くの業種がお休みの時に休みが取りにくく、夜間の見回りなどで宿直勤務のある水族館もあります。

幅広い知識が必要とされるだけでなく、体力を使う仕事でもあります。

しかし大変な仕事でありながら、それ以上にやりがいを感じる人が多く、あまり欠員が出ません。そのため求人が出ると応募が多く寄せられるため狭き門となっています。

新規の水族館が開館する時には大人数の求人が出ることもありますので、情報をよくチェックしておくと良いでしょう。

このように、幅広い仕事内容が経験できやりがいを感じられる仕事である水族館飼育員を目指してみてはいかがでしょうか。

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