酪農家を目指すにあたり、資格の必要性が気になる方は多いでしょう。結論から申し上げますと、酪農家になるための認定資格はありません。しかし酪農家の求人は、自動車運転免許を応募の必須条件とする傾向にあります。
また家畜人工授精師の資格は、牛の人工授精をおこなうために必要です。この資格を保有していることで、実務により貢献できるといえるでしょう。将来的に経営者になることを視野に入れる場合は、実務能力とあわせて農業簿記の知識も必要となります。
酪農家と資格
酪農家を目指すにあたり、資格は必須なのか、どんな資格があると将来的に役立つのかを、それぞれ解説していきます。
酪農家になるには資格は必須?
酪農家という職業に就くために、必須の資格があるかというと、一般的には「NO」といえます。酪農家の求人は、未経験や無資格でも応募できるものが多いです。
しかし、自動車運転免許を応募の必須条件とする求人が多いのも、酪農家の特徴といえます。通勤や実務で車を使う機会が多いので、専門の資格はなくとも自動車運転免許は取得しておきましょう。
貢献度が上がる!家畜人工授精師
酪農に携わるうえで、乳牛の飼育数や生乳の生産量を調整することはとても重要です。調整のためには、人の手が必要となります。
家畜人工授精師は、牛の人工授精や受精卵の移植をおこなうにあたり必要となる資格です。所定の講習会を約1ヶ月受講し、修了試験に合格することが資格取得の条件となります。
牛の人工授精や受精卵の移植は、獣医師も対応が可能です。そのため牧場に資格保有者がいない場合は、外部から獣医師を呼んで対処してもらうことがあります。家畜人工授精師の資格があることで、牧場内で人工授精に対応できるため、コスト削減に貢献できるでしょう。
経営者を志すなら農業簿記の知識も必要
酪農家を目指す方の中には、ゆくゆくは経営に携わりたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。経営者となるには、実務経験とあわせて経営の知識が必要となります。農業簿記もその中のひとつです。
農業簿記とは、一般企業で使用している簿記をベースとした、農業に特化した簿記のことをいいます。経営者を志すのであれば、農業簿記検定に挑戦してみるとよいでしょう。農業簿記検定は年2回実施されており、受験資格に学歴や年齢といった制限はありません。
今回は、酪農家に資格は必要かどうかについてご紹介いたしました。いかがでしたでしょうか。
酪農家となるための認定資格はありませんが、家畜人工授精師の資格や農業簿記の知識があると、業務の幅が広がります。ご自身が目指す、酪農家としての将来像を見据えて、資格取得に臨むとよいでしょう。