・ハンドラーに大切なことを知りたい人
・ハンドラーという職業を知りたい人
ハンドラーという仕事は大きく分けて、ドッグショーで犬をエスコートするプロハンドラー、医療で活躍するファシリティドッグなど、嗅覚を特技とした特殊犬など幅広い分野があります。
それぞれの仕事をする上で、最も大切なことは何か?突き詰めて考えてみましょう。
犬をエスコートするプロハンドラー
プロハンドラーになって特に気を付けたいことは2点あります。犬のこと、そして見ている観客のことです。それぞれについて考えていきましょう。
エスコートするのは自分の犬だけとは限らない
日本国内で開催されるドッグショーの多くはJKC(ジャパンケネルクラブ)が主催するものです。またJKCでは認定ハンドラーという資格を設定しており、合格すればJKC会員の犬をエスコートすることもできます。
限られた期間の中で他の犬をエスコートする技術はなかなか習得することが難しいもの。犬を落ち着かせ、慣れさせることが必要です。短い時間で犬に集中させるにはコマンドやジェスチャーを短くはっきりとすること。また愛情をもって接してあげましょう。
観客目線でショーをシュミレート
犬の見栄えだけでなくハンドラーの所作にも注目が集まります。日頃の練習はもちろんのこと、自分の姿を頭の中でシュミレートしてみましょう。
どの角度から見れば見栄えが良いか?表情はどうなのか?鏡を見ながらチェックすることも必要です。
また犬に引っ張られていないか?自分が先に進みすぎていないか?なども合わせて確認したいものです。
ファシリティドッグやセラピードッグと仕事をするハンドラー
入院している患者さんや高齢者など、人々を笑顔にする動物介在医療を担うのがファシリティドッグやセラピードッグたちの役目です。ハンドラーはどのようなことを心がければ良いのでしょうか。
無理に触れ合おうとはしないこと
人によっては動物が苦手だったり、初めて犬に触れるお子さんもいらっしゃるでしょう。あまり無理に接しようとすれば逆効果になることもあります。まずは近づきすぎない距離で相手の様子を見るべきです。
人にも犬にも優しくできるように
ファシリティドッグやセラピードッグになれる犬は、物事に動じないおとなしい性格の子が多いのですが、お子さんが乱暴に叩いたりすることがあるかも知れません。
そういった時は叱らずに「優しくしてあげてね」と声を掛けることが大切です。
人にも犬にも優しくできる。それがハンドラーとしての適性です。
特殊犬と仕事をするハンドラー
特殊犬とは、麻薬探知や災害救助などを役割とする犬のことで、訓練したり、共に活動する人のことをハンドラーと呼びます。
現場では常に緊張感を持つこと
特殊犬になるためには遊び好きだったり、いたずら好きの犬では適格とは言えません。やはり任務の遂行上、犬もハンドラーも常に緊張感を持つことでしょう。
もちろん現場だけでなく、日頃の訓練の中でも主従関係を明確にし、犬がしっかりコマンドが聞き分けるような信頼関係を築くことが大切なのです。
犬の安全を第一に考えること
災害救助犬などは、過酷で危険な現場へ出動することも珍しくはありません。「犬だから危険な場所でも大丈夫だろう」ではなく、犬の安全を確保してあげることもハンドラーの重要な役目なのです。
犬は嗅覚を使うことに集中していますから、周囲の安全をハンドラーがしっかりと確認し、その上で作業を始めるべきなのです。