今後どうなる?動物飼育員の需要や現状・将来性について

かつての日本では、動物と接する動物飼育員は憧れの職業だったといいます。しかしレジャーの多様化や飼育員としての仕事の辛さといった面から、近年はなかなか希望者が増えないという話もあります。

現在の現状を踏まえ、今後の需要や将来性について解説してきましょう。

ベテラン飼育員の不足

動物飼育員になるためには特別な資格は必要としませんが、やはり動物に関する知識や経験は一朝一夕では身に付くものではありません。後継者不足の問題が持ち上がっているのです。

定年や異動によるベテラン飼育員の不足

日本で運営されている動物園の多くは市営や県営といった公営施設です。そのため、そこで働く職員は地方公務員となります。

もちろん定年や異動といった人事がありますから、飼育の経験を積んだ後継者が育たなければベテラン飼育員が不足するという事態となります。

マニュアル通りにはいかない飼育の世界

動物管理マニュアルというものは存在していますが、マニュアル通りにすればうまくいくというわけでもありません。

それぞれの個体によって特徴や性格なども違うため、ある程度は経験を積む必要があるのです。

ベテラン飼育員の数が減れば、その分アドバイスやフォローしてくれる人間も少なくなるわけですし、新しい人材が育ちにくくなる傾向となります。

希望者が増えるかどうかがカギ

人材不足を補うためには、新しい人材を採用して後継者として育てるということが急務です。そのために希望者が今後増えるかどうかがカギなのです。

きつい・汚い・危険の3K

動物飼育員は決して楽な仕事ではありません。勤務時間は早朝~夕方の場合がほとんどですが、動物の状態(ケガや病気・妊娠など)によっては時間外勤務もあり得ます。

また動物を相手にするわけですから、力仕事だったり汚物を清掃する業務も当たり前のようにあります。猛獣担当になれば危険が背中合わせという側面もあるでしょう。

もちろん土日は休めませんし、重労働の割には給与面でも厳しいものがあるのです。

そういった意味では希望者が意外に少ないという現状があるのです。

安定性のある職種

いっぽうで公営の動物園の場合、待遇は公務員ですから安定した職種だと言えるでしょう。

解雇や倒産のリスクもありませんし、給与が減ることもないでしょう。

人気のある動物園の場合、動物飼育員になりたいという希望者はかなり多く、募集が掛かれば100人に1人しか採用されないという狭き門であることも珍しくありません。

民営動物園の増加による来園者増

近年では各自治体の財政難から、公営動物園であっても指定管理者制度を利用して民間委託に舵を切る場合も増えてきています。実質的な民営といっても良いでしょう。

また民間企業が主体となって運営する新しい動物園も増加しつつあります。

民営企業ならではの運営方法

民間企業が運営する動物園の場合、企業活動である以上は利潤を追求せねばなりません。

「どうすれば来園者が増えるのか?」が常に命題であるため、様々なアイデアや独自の工夫が不可欠となります。

動物に関する専門的な知識を持っていたり、これまでの動物園の概念にとらわれない考え方を持った人材が多く採用されているのも事実です。

動物園のテーマパーク化

メディアで動物関連のニュースや番組が増え、SNSなどの個人発信が当たり前になるにつれて動物園の在り方も変わりつつあります。

民営の動物園は単に動物を展示するだけでなく、自然の生態のまま放し飼いにしたり、アトラクションやショーに出演させるなどして差別化を図っています。

いわばテーマパーク化ということですが、そのために新しい人材を次々に必要としているわけです。

今後、民営動物園が増えていくに従ってその傾向は顕著になり、やがてスタンダードになるかも知れません。