動物飼育員といえば、毎日動物と向き合ってエサやりをしたり、園内を清掃したりとなかなかハードな仕事です。果たしてその給与・年収は一般的な金額と比較して高めなのでしょうか?それとも安めでしょうか?詳しく解説していきたいと思います。
目次
情熱がなければ続けられない仕事
まず具体的な給与の内訳から見ていきましょう。体を使う職種の割に薄給であることがよくわかります。
年収は250~320万円程度
年齢や地域性・運営母体によって違ってきますが、動物飼育員の平均月給は約20万円前後(手取りでは15万円ほど)で、サラリーマンと比較すればかなり抑えられたレベルとなっています。年収はおおむね250~350万円程度でしょうか。
動物園の中でも特に人気が高い旭山動物園クラスでも上限は380万円前後とされていますから、業務内容の濃さに比べれば給与は少ないと言えるでしょう。
またボーナスは4ヶ月程度と計算して60~70万円程度となっています。
定期的な昇給はあるものの…
年齢や経験年数によって定期的な昇給はあるようです。とはいえ昇給は50~54歳程度でピークを迎えますので、それ以降は下がる傾向にあります。
たしかに給与面では厳しいものがありますが、動物が本当に好きで情熱をもって仕事ができる人であれば、長く続けられるのではないでしょうか。
公営と民営の違いとは?
動物園の運営母体が、市町村などの公営なのか?それとも民間企業による民営なのか?それによって給与体系をはじめとする待遇も違ってくるようです。
福利厚生がしっかりした公営動物園
公営動物園に勤めるメリットは、やはり安定した仕事という部分でしょうか。肩書は公務員という形ですので、定期的な昇給も受けられますし、住宅・保険・扶養手当などの福利厚生もしっかりしています。
家計における持ち出しが少なくて済みますから、その分給与が低くてもやっていけるということに繋がるわけです。ただし公務員ですから基本的に副業はできません。
民営動物園は業績アップ次第
いっぽう民営動物園の場合は、民間企業による運営ですから「業績」というものが大事になってきます。
動物園の業績が悪ければ給与もなかなか上がりませんし、場合によっては閉園ということになりかねません。
その代わり業績が好調になれば、利益が従業員に還元されることも十分考えられます。特に貢献ぶりをしっかり査定してくれる企業であれば、給与が上がりやすくなると言えるでしょう。
給与水準は今後どうなる?
近年の動物・ペットブームによって、動物園の位置づけも少しずつ変わりつつあります。またそれに伴って動物飼育員の給与水準は今度どうなっていくのか?展望を解説していきましょう。
テーマパークとしての役割
昨今は公営動物園であっても、民間企業に運営を委託することも少なくありません。他の動物園との差別化を図り、より人々が楽しめるような動物テーマパークとしての役割が果たしていけば、来園者は飛躍的に増えることでしょう。
また、そこで働く動物飼育員の給与水準もアップしていく傾向となるはずです。
繁殖・研究機関として
最近の動物園は「見せる動物園」としてだけでなく、種の保存や生態解明に関する研究機関として注目されています。
文科省や各大学・自治体では、助成金や研究補助金等を活用して研究・教育普及体制を整備しつつあり、もちろん動物園もその対象となっています。
動物飼育員が研究の主役として活躍することも夢ではないでしょうし、将来のキャリアップにも繋がっていくのではないでしょうか。