・厩務員の試験内容を知りたい人
・厩務員と調教師の違いについて知りたい人
厩務員になるためには、試験を受ける必要はありません。しかし、中央競馬の厩務員になるためには、JRA競馬学校に入らなければいけないため入学試験を受ける必要があります。入学試験は毎年1回30名程度募集しており、合格率は10%程度です。狭き門ですが、6ヶ月間みっちり馬の知識・技術を学ぶことができます。
厩務員になるためには?
厩務員になるためには、特別な資格は必要ありません。しかし、馬は繊細な動物なので、誤った扱い方をしてしまうと怪我をすることもあります。そのため、厩務員として働くためには馬の扱い方や世話についてなどの知識が必要です。
厩務員になる方法はJRAが経営している競馬学校に入学するもしくは、厩舎と雇用契約をする必要があります。
ここでは、厩務員になるための詳しい内容をご紹介します。
JRA競馬学校に入学する
厩務員になるためには、JRA競馬学校に入学する必要があります。JRA競馬学校は、日本中央競馬会が運営する学校です。
年に1回10月生15名、1月生15名の合計30名の生徒を募集します。募集人数が少ないため、合格率は非常に低くなっています。
JRA競馬学校は中央競馬で厩務員として採用されるためには入学することが必要ですが、地方競馬の厩務員として働く場合は入学しなくても問題ありません。ただ、どちらも、馬に関する知識は必要になります。
経験を積んで厩舎と雇用契約をする
厩務員になるためには、厩舎と雇用契約をするという方法があります。厩舎とは競走馬を飼育する場所で基本的に調教師が管理しています。その調教師と契約を結ぶことにより厩務員として働くことができます。
厩舎では競走馬を飼育・管理しており、馬にできるだけストレスなく、最良のコンディションでレースに臨むことが理想です。責任を持って職務を全うできるか、必要な知識や技術を持っているかなどで採用されるかどうかが決まります。
JRA競馬学校の試験とは?
中央競馬と地方競馬は運営者が異なり、中央競馬は国が出資して開催されるため賞金も大きく、レースに勝てる実力のある競走馬が中央競馬に集まる傾向があります。そのため、中央競馬ではより実力のある調教師や厩務員が求められます。
中央競馬で働くためには、JRA競馬学校に入学する必要があります。ここでは、JRA競馬学校の試験についてご紹介します。
応募資格
JRAが経営する競馬学校の応募資格は、学歴、健康状態、乗馬経験を満たす者となっています。
学歴は中学校卒業以上の学歴を有する者、もしくは同等以上の学力を有すると認められる者となっているため、中学校を卒業していれば受験資格があるということになります。
健康状態とは、健康状態に問題がなく、馬の世話を行うことができるかということです。
騎乗経験については、騎乗経験(競走馬・育成馬・乗馬など)が1年以上あり、単独騎乗による3種の歩法(常歩、速歩、駆歩)ができることと定められています。そのため、もともと乗馬経験がない方は応募することができません。さらに、入学願書の騎乗経歴には騎乗期間や騎乗内容なども詳しく書く必要があります。取得した騎乗者資格などの欄もあるため、持っている資格があれば記入しましょう。
これらの条件以外にも、破産者で復権を得ない者、禁錮以上の刑に処された者、競馬法、日本中央競馬会法、自転車競走法、小型自動車競争法またはモーターボート競争法などの規定に違反して罰金の刑に処された者などの項目に該当しないことが必須条件となります。
一次試験
一次試験は競馬学校やトレーニングセンターなどの場所で行われます。試験内容は身体検査、運動機能検査、学科試験などが行われます。
身体検査では体重測定も含まれており、体重60kgを超えると受験できないというケースもあるため、体重管理には気をつけたほうがいいかもしれません。
運動機能検査では厩舎での業務を問題なく行えるかどうか判断するための試験のようです。厩舎の業務は体を動かす仕事が多く、重いものを持ち上げることもあります。ハードな仕事なので、それに耐えられるかということも合格を左右するポイントの一つです。
学科試験では、一般教養(国語、社会)、競馬一般などが範囲となります。一般教養は中学卒業以上か同等の学力を持っているかというレベルの試験です。競走一般では、各競馬場の基礎知識や過去のレースで勝利した騎手や競走馬についてなどの問題が出題されるようです。騎手・競走馬、競馬場について、幅広い知識を学んでおくことが必要です。
試験後、約3週間後に合否発表が行われ、本人あてに通知されます。JRAホームページや各試験会場で合格者のみの発表も行われます。
二次試験
二次試験は2日間(2班)に分けて実施されます。試験会場は日本中央競馬会競馬学校となります。
第一次試験合格通知に同封されている「健康診断書」を提出する必要があり、忘れてしまうと不合格になるため注意しましょう。
試験内容は、身体検査、騎乗適性検査、本人面接となっています。身体検査ではサイド体重測定が行われるため、体重管理には注意が必要です。
騎乗適性検査が二次試験の肝となる部分で、上位の成績を収めなければ、本人面接までたどり着くことはできません。騎乗技術には厳しい審査が行われるようです。騎乗試験では、基本的な騎乗ができているかどうかが判断基準となります。基本的な騎乗についてトレーニングをしてから挑むことが必要です。
本人面接では、願書に書かれている内容の正当性や志望動機などを確認されます。緊張のあまり言葉が飛んでしまう可能性もありますが、落ち着いて挑みましょう。
合格発表は約1ヶ月後に本人あてに通知されます。JRAホームページなどでも確認することができます。
過去問題集は過去5年分販売されており、JRA競馬学校のホームページに申し込み方法が記載されているため、受験する場合は購入してみてもいいかもしれませんね。
調教師推薦制度もある
JRA競馬学校には調教師推薦制度もあります。日本調教師会に所属する調教師の推薦を得て選考を受ける制度です。募集資格は一般受験者と同様となりますが、制度を利用する場合は日本調教師会に連絡し、手続きを行いましょう。
調教師とは?
厩務員は馬の世話を行う仕事です。では、調教師はどんな仕事をするのでしょうか。
ここでは、調教師の仕事についてご紹介します。
調教師の仕事内容
調教師は競走馬の調教を行うことが主な仕事です。自分の厩舎を持っており、厩務員や調教助手と雇用契約を行い、馬の調教を行っていきます。調教師は厩務員や調教助手に指示を出す、監督役となります。
競走馬は馬主と契約し預かった馬で、馬がレースに出場し良い成績を収めることができるようにサポートしていきます。中央競馬の場合、調教師1人で競走馬20頭を管理するようです。
調教師免許を取得する必要がある
調教師になるためには、調教師免許試験を受けて、免許を取得する必要があります。調教師免許は日本中央競馬会が実施する試験で、騎士や厩務員、騎手助手などの仕事につきながら、資格取得を目指す方が多いようです。
調教師には経験が必要
調教師は厩舎を経営するにあたり、調教技術だけでなく人事管理や経営についての知識も必要です。さらに、厩務員、調教助手、騎手などの経験を積み、実績を得ることが必要です。調教師を目指すのであれば、経験や実績を積み、いろんな知識やスキルをつけていくことが大切です。
まとめ
ここでは、厩務員になるための試験や調教師についてご紹介しました。
厩務員になるためには、馬に関する知識や技術だけでなく、騎乗技術などが必要になります。JRAが経営する競馬学校への入学はさらなる知識や技術が必要です。
JRA競馬学校の試験は倍率が高く、合格するのも難しい試験です。試験を受験する前に、一般教養だけでなく、馬に関する知識や技術、基本的な騎乗トレーニングなどをし、試験に挑むことが大切です。