搾乳は酪農家の基本であり、メイン業務ともいえます。消毒や前搾りを経て、ミルカーで搾乳をするのが一般的な流れです。
実務を通して搾乳に慣れていくのが、上達への練習方法といえるでしょう。学生の場合は、模型を使った模擬搾乳を経験できる授業もあります。
今回は酪農家の基本となる「搾乳」に関して、使用する道具とはどのようなものなのか?どのように練習すれば良いのか?を解説します。
搾乳は酪農の基本
酪農家の業務内容や搾乳の流れについて、それぞれ解説していきます。
搾乳は酪農のメイン業務
酪農家の仕事は、牛舎の清掃をはじめ、乳牛のエサ作りや給餌、搾乳など多岐にわたります。なかでも搾乳は、酪農の基本にしてメイン業務といえるでしょう。
搾乳は朝と夕方の1日2回、毎日おこなうのが一般的です。乳牛の乳房を傷つけてしまうと、乳房炎を発症し、生乳が出荷できなくなってしまう恐れがあるため、搾乳には技術と経験が必要となります。
搾乳の流れとは?
搾乳とは、いわゆる「乳しぼり」を指しますが、実際に牛乳を搾るまでにはいくつかの手順があります。大まかな流れは以下のとおりです。
- 乳牛の乳頭を消毒する
- 前搾りをする
- 再び乳頭を消毒し、汚れや水分を取り除く
- ミルカーを取り付け、搾乳を開始する
- 搾乳が終わったらミルカーを取り外し、消毒する
前搾りは手作業です。与えられた刺激により、乳が出やすくなる効果があります。また乳牛に直接触れることで、乳房の異常感知にもつながります。なお前搾りで採った牛乳は出荷しません。
搾乳に使用する道具と練習方法
搾乳をおこなう時に使う道具や、搾乳の練習方法を解説いたします。
搾乳に使用する道具
搾乳に使用する主な道具は、殺菌剤、ミルカーです。殺菌剤は、前搾りの前後とミルカーの使用後に、乳牛の乳頭を消毒するために使います。薬剤の中身としてはヨード剤であることが多いです。
ミルカーは、出荷用の牛乳を搾る段階で使用する機械です。乳牛の乳頭に装着して使用します。装着後は、自動で搾乳をしてくれる優れものです。このミルカーのおかげで搾乳効率はかなり上昇します。
実務での経験が上達への練習に
搾乳は酪農家が毎日必ずおこなう作業です。ミルカーの取り付け時は、空気が入らないようにするなど、乳牛に負担をかけないように手際よく動く必要があります。
実際に毎日乳牛に触れて作業に慣れることがいちばんの搾乳上達につながる練習方法といえるでしょう。
模型を使った模擬搾乳をおこなうことも
酪農家を目指す手段の一つが、農学系の学校への進学です。学校によっては、乳牛の模型を使った、模擬搾乳を授業に取り入れています。模擬搾乳の内容は、乳牛の乳房の拭き方や消毒、前搾り、ミルカーの装着といった、搾乳の一連の流れです。模擬練習をおこなうことで、実際の業務をイメージしやすくなるでしょう。
酪農家を目指すならば、搾乳は避けては通れない作業です。毎日作業をすることで、乳牛にとって負担の少ない搾乳をおこなうことができるでしょう。乳牛と二人三脚で練習あるのみです。