・フリーランスに興味がある人
・動物園などで働きたい人
「フリーランス」といえば最近よく耳にする言葉ですが、意味としては、会社や団体に所属せず自由に働く人のことをそう呼びます。
しかし動物飼育員としてフリーランスで働こうとする場合、果たして可能なのでしょうか。詳しく解説していきたいと思います。
フリーランスは現実的ではない?
フリーランスとして働く場合、一般業態の仕事とはまったく違う環境に気付くかも知れません。そこには動物園ならではの特殊性があるのです。
動物飼育員の求人はほとんどない
まず一つ言えるのは、動物飼育員の求人は思った以上に無いということです。一定の求人こそあるようですが、動物飼育員を志している方は多いもの。狭き門に希望者が殺到してくるため、かなりハードルは高いと言えるでしょう。フリーランスになったとしても、いちいちその高いハードルを越える必要があるのです。
また運良く就職できたとしても、期間限定というわけにはいきません。恒常的な雇用形態が求められるのです。それではフリーランスとは呼べないですよね。
職場環境がフリーランスには向かない
動物飼育員として働くなら、団体に所属しないわけにはいきません。あくまで動物園との雇用関係が重視されるわけです。
その理由として動物園の特殊性があります。動物飼育員にはそれぞれ担当の動物たちがおり、短期または臨時で担当が代わるわけにはいきません。
人間と同じく動物にも信頼関係というものがあり、動物たちは担当者を信頼しているからこそ安心して身を任せることができるのです。
ですからフリーランスとして動物飼育員になることは現実的ではないのです。
動物園を個人経営する場合
仮に動物園を個人的に経営した場合、どこの団体にも所属していないことになりますから、これはフリーランスと呼んでも差し支えないかも知れません。
個人で小規模動物園を経営する
動物園で飼育されている動物は「展示動物」と呼びますが、営業を始めるにあたって都道府県知事または政令指定都市の長の登録を受ける必要があります。また飼養施設の構造や整備など一定の基準が求められます。また危険動物の飼育に関しては許可が必要です。
とはいえ、ふれあいパークや乗馬施設程度の業態であれば個人でも経営できるため、そういった意味ではハードルは低いのではないでしょうか。フリーランスという言葉の意味合いからすれば遠いかも知れませんが、特定団体に所属しないという点ではフリーランスと呼べるでしょうか。
移動動物園の場合
移動動物園を経営する場合、各地の学校・企業等の求めに応じて出展するわけですから、こちらの方がフリーランスという意味合いに近いと思います。
また契約形態もスポット的なものになりますので、都合の良い日時・場所などを必要に応じて取り決めることが可能となっています。
また移動動物園ですと各地の動物系専門学校へ出張することもあります。学生の実習教材として動物が提供されますので、これもフリーランスならではの提携方法だと言えるでしょう。
結論
動物飼育員として雇用される立場からすれば、フリーランスはあまり現実的ではありません。いっぽう小規模動物園や移動動物園といった形態であれば、他の団体とのスポット的な契約が可能となります。
こうして見ていくと、他のドッグトレーナーやトリマーといった仕事と違い、動物飼育員という仕事がいかに特殊なのかがわかることでしょう。
動物園としても、また動物の側からしても動物飼育員は安定した雇用形態が望まれているのです。