・家畜人工授精師と家畜受精卵移植師の違いを知りたい人
・酪農に興味がある人
現在では、家畜人工授精師や家畜受精卵移植師などの技術者は畜産農家にとって欠かせない存在となっています。
要素が似ているこの2つの職種ですが、それぞれの違いや特徴にはどのような点があるのでしょうか?
家畜人工授精師と家畜受精卵移植師とは?
家畜人工授精師と家畜受精卵移植師について説明していきます。
家畜人工授精師とは何をする仕事?
家畜人工授精師とは、主に牛などの家畜の秀逸な雄から採取した精子を雌の子宮に入れて人工授精を行うことにより優秀な遺伝子を受け継いだ子供を多数出産させることのできる専門家です。
獣医師免許を持っていれば、家畜人工授精師でなくても取り掛かることができるのですが、それ以外の場合は、各都道府県が行っている講習会に参加して修了試験に合格する必要があります。
家畜受精卵移植師とは何をする仕事?
家畜受精卵移植師とは、秀逸な雌へホルモン投与し、過剰に排卵させた後で人工授精をする際に採取した受精卵を他の雌の子宮内に移植することにより有能な子牛を多数出産させることのできる専門家です。
家畜人工授精師を取得した後に受ける講習会で修了試験に合格する必要があります。
家畜人工授精師と家畜受精卵移植師の違いについて
家畜人工授精師と家畜受精卵移植師それぞれのメリット・デメリットについて説明していきます。
家畜人工授精師のメリット・デメリット
メリット
・牛が発情していることを確認したら、期間を設けずに授精を開始することが出来る
・精液を薄めることによって多くの雌に授精が可能なため、優れる子牛を早めの段階で増やすことが出来る
・受胎成功率が7割と高い
デメリット
・精液の準備や溶解に時間がかかる
・雄の遺伝子に問題があった場合には精液に伝染病などの病原が潜んでいる場合がある
家畜受精卵移植師のメリット・デメリット
メリット
・伝染病に罹患している家畜の受精卵であったとしても、適切な処理を行うことによって
子孫への感染を遮断することが出来る
・乳用牛に受精卵移植を行えば和牛生産による収益性の向上が期待できる
デメリット
・成功率は4割と低い
・発情してから受精卵移植を行うまでには1週間の時間を置かなければならない
・ホルモンへの反応性や卵数回収に個体差が生じる
・技術によって受胎率にバラツキがある
いかがでしたでしょうか?
現場では牛の状態に合わせて人工授精にするか受精卵移植のどちらの方法が合っているのかを見極めて対応することができるようになるので両方の資格を持ち合わせておくとより効率アップに繋がるのではないでしょうか。