・酪農家と畜産農家の違いについて知りたい人
・動物と関わる仕事を知りたい人
畜産と酪農は、よく似ているようで違いがあります。
私たちの暮らしになくてはならない生乳や食用肉、卵などを生産している畜産農家や酪農家ですが、この2つの仕事にはどのような違いがあるのか、仕事内容も含め紹介していきます。
全4回にわたってお送りいたします。今回は畜産農家についてです。
畜産農家とは?
「畜産」とは農業の一部分のことを指しています。
畜産農家の仕事は、家畜・家禽を繁殖させて飼育することです。
私たちの食生活を支えている牛、豚、鶏、羊などの動物を飼育して食用肉や卵などを生産しています。
生産額では米や野菜より多く、畜産は日本の食を支えている大事な第一次産業といえます。
畜産農家は飼育する家畜の種類により仕事内容が異なります。
肉用牛の畜産農家
肉用牛の畜産農家は大きく3つに分けられます。
・繁殖農家…雌牛が年1頭子牛を出産するよう人工授精し、生後9ヶ月頃にセリにかけて肥育農家に売る
・肥育農家…年齢や季節に合わせた餌を与え、牛を大きく育てて生後300日ほどで出荷する
・繁殖肥育一貫経営農家…繁殖から肥育まで一貫して行う
どの農家でも、一番重要なのは牛の健康管理です。
毎日牛の状態をチェックし、必要があれば獣医師による診察を受けます。
牛は暑さ寒さに弱い動物のため牛舎の温度管理は不可欠で、ストレスを少なく過ごせるように生育環境を整えることが大切です。
養豚の畜産農家
食肉となる肉豚や、種豚を飼育する仕事です。
豚肉は日本の家庭で最も多く食べられている肉で、ハムやソーセージなどさまざまな加工肉としても需要が高いです。
養豚には
・繁殖豚経営
・種豚経営
・肥育豚経営
と分けられますが、この繁殖から出荷までを一貫して行う農家が主流となっています。
肉用豚は肉質の良くなる生後6、7ヶ月で出荷されます。
豚はとてもデリケートな性質をしており、豚舎が汚れていたり狭い豚舎に入れられると強いストレスを感じ、病気になる可能性もあります。
豚に負担のないよう清潔を維持し、快適な環境づくりを心がけることが大切です。
養鶏の畜産農家
養鶏を行う畜産農家は、
・卵を生産するための採卵鶏を飼育する養鶏農家
・食用肉を飼育する養鶏農家
に分けられます。
養鶏農家には、自動化・機械化され1つの養鶏場で数十万羽の鶏を飼育する企業経営の農家や、小さな養鶏場で平飼い・放し飼いで飼育し、鶏の負担を少なくしてブランド価値を高めた卵や食用肉を生産する農家など、その農家により規模や飼育方法はさまざまです。
鶏も、牛や豚と同様に温度や環境に敏感な性質のため、環境を整えストレスを少なく飼育することが大切です。