愛玩動物看護師の仕事と今後の給料の変化は?

この記事はこんな人向け!
・愛玩動物看護師になりたい人
・愛玩動物看護師の仕事と給料ついて知りたい人
・動物の命を救うお仕事に関わりたい人

これまで動物看護師は、動物病院において獣医師のサポートをし、診察・治療・診断以外の業務を担ってきました。

しかし近年のペットブームによる獣医療のニーズ拡大や獣医療の高度化・多様化は著しく、その変化に対応し、より幅広い業務を行えるよう、令和4年に愛玩動物看護師法が施行されました。

これにより今後、動物看護師として働くには「愛玩動物看護師」という国家資格取得が必須になります。

国家資格化されることで、今後動物看護師の仕事はどのように変化していくのか、給料は今より上がっていくのかを見ていきましょう。

愛玩動物看護師の仕事内容と給料

愛玩動物看護師とは

動物看護師として働くには、専門学校や短期大学で動物看護学や動物行動学、薬理学などを一通り学び、就職するのが一般的です。

しかし今まで動物看護師になるにあたって必須の資格はなく、実際には未経験から始めても実務につくことができました。

資格は民間資格のみで、動物看護師統一認定機構が行なっている「認定動物看護師」が最も認知度が高く、この資格取得に向けたカリキュラムが組まれている学校が多いです。

この資格は動物看護師の知識や技能の水準を統一することを目的としており、就職や転職の際取得しておくと有利になるものです。

学校で試験対策が行われるため合格率が高く、2022年に行われた試験では合格率89.86%でした。対策さえしておけば、難易度はそれほど高くないといえます。

しかし近年のペットブームにより、家庭で飼育される動物の数が増え続け、獣医療のニーズが増加し、動物看護師に求められる知識や技能が変化してきています。

獣医療の進歩により動物の高齢化が進んだり、獣医療の高度化・多様化が進む一方で、動物看護師の技術水準の確保や、十分に業務を果たせるような環境が整っておらず、獣医療の現場がよりハードになっているのが現状です。

そこで、今以上に獣医師と動物看護師のチーム医療体制を強化し、動物看護師により幅広い業務を任せられるよう、愛玩動物看護師法は施行されました。

今後「動物看護師」として働くには国家資格を取得することが必須となり、資格を持たない者は「動物看護師」と名乗ることも、同等の業務を行うこともできなくなり、愛玩動物看護師は業務独占・名称独占の仕事になります。

第一回目の愛玩動物看護師国家試験は、令和5年2月19日に行われる予定です。

初回の試験なのでどのような問題傾向なのか、難易度はどの程度なのかがわかっておらず、その合格率が注目されています。

愛玩動物看護師の受験資格

愛玩動物看護師の国家資格を受験するためにはいくつかの条件があります。

①通常コース(愛玩動物看護師法施行日の令和4年5月1日以降に入学した人が対象)

・大学で指定の科目を修了して卒業する

・都道府県が指定した愛玩動物看護師養成所などで3年以上必要な知識・技術を習得する

このように、これから愛玩動物看護師を目指す人は、大学や専門学校で3年間学日、国家試験に合格することが必須となります。

②現職の人、現在学校に通っている人

・動物看護業務に累積5年間従事している人…30時間程度の講習会に参加し、予備試験に合格することで国家試験の受験資格を得られます。

・現在学校に通っている人…現在実施されている、動物看護師認定統一試験の受験資格を持っている場合、その合否は問わず最大30時間程度の講習会を受講することで予備試験なく国家試験の受験資格を得られます。

どちらのケースでも法施行から5年間は経過措置がとられるため、その間に国家資格を取得することが必須です。

(参照:環境省  https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/kangoshi/qualifi.html)

国家資格化による仕事の変化

国家資格となり、愛玩動物看護師となることで今まで獣医師のみが行えていた

・採血

・投薬

・カテーテルによる採尿

・マイクロチップ挿入

など一部の医療行為を、獣医師の指示のもと実施できるようになります。

動物看護師の業務の幅が広がることで、獣医師はより多くの動物の治療に当たることができ、チーム医療体制の強化につながります。

より高度で幅広い業務に携わることができるのは、やりがいが大きい一方で、治療に対して関わりが増え、その分責任も大きくなります。

責任が増す分、動物看護師の専門性が確立され社会的地位が上がり、現在よりも給料が上がることが期待されています。

愛玩動物看護師の給料

愛玩動物看護師は2022年6月現在まだ国家試験が行われていないため、今後愛玩動物看護師の給料がどのように変化していくのかはわかりません。

現職の動物看護師の給料は、地域や病院の規模により差は大きいですが、平均して月に15−20万円前後、平均年収はボーナス込みで200−340万円前後といわれています。

日本全体の平均年収は461万円、年収の中央値は433万円なので、平均より低い水準であることがわかります。

国家資格化により年収が上がることが期待されていますが、まだどうなっていくかはわかりません。

人間の看護師の給料と比較してみると、地域や病院の規模により差はありますが、平均収入は、月収34万円、年収491.9万円、ボーナス86万円となっています。

夜勤や残業手当による増額もあり、動物看護師と比較するとかなりの差があるのがわかります。

愛玩動物看護師が人間の看護師と同じく国家資格となることで、より専門性を高め、社会的地位や給料が上がっていくことが期待されます。

実際には動物病院の規模はさまざまで、個人経営の動物病院も数多くあります。

給料を決定するのは動物病院の院長や経営者であり、国家資格化によって給料が上がるのか、どの程度上がるのかは勤務先によって差が出るかもしれません。

ただ愛玩動物看護師の資格を取得することにより、より条件の良い職場に転職したり、キャリアアップに繋げたりと自分の強みとなってくれるでしょう。

またペットブームは衰えることがなく、コロナ禍においてもペット・ペット用品は販売額が増加しています。

動物病院の産業活動指数も上昇傾向に推移しており、コロナ禍での受診控えの影響も僅かだったようです。

今後単身世帯の増加や世帯数の減少が進んでいく中、動物を飼う人はより増えていく可能性が高く、ペットの存在はより重要な位置を占めていくことが予想されます。

獣医療のニーズはますます高まることが予想され、愛玩動物看護師の需要もより高まっていくでしょう。

動物業界全体の給料水準が上がっていき、愛玩動物看護師の社会的地位の向上にもつながっていくことが期待されます。

また愛玩動物看護師の資格を取得していると、無資格の動物病院スタッフとの差別化が図られ、資格手当がついたり、就職や転職に有利になる可能性も高いです。

さらに経験を積んでいくことで給料アップにもつながっていく、将来性のある仕事といえます。

(参照:令和2年賃金構造基本統計調査https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html

日本動物看護協会https://www.jvna.or.jp/wpcms/wp-content/uploads/2020/06/jvna_20200701_report.pdf)

今までそれほど難易度の高くなかった動物看護師の認定資格が、高度な知識や技能が求められる国家資格へと変化することで、動物看護師を目指している学生や今まで働いてきた人は戸惑いもあるでしょう。

しかし今までの動物看護師はいわば「誰でもなれる職業」で、社会的地位が低いものでした。

法が整備され、動物看護師から「愛玩動物看護師」という国家資格となることにより、一定水準の知識・技術を持った動物看護師が動物病院を支えていくことになります。

社会への認知度も上がり、社会的地位の向上にもつながることが期待されています。

また幅広い業務の実施が可能となるため獣医療の現場が機能しやすくなり、より動物福祉に貢献できるようになります。

経験を積みスキルアップしていくことで、給料アップにもつながっていくでしょう。

国家資格化となる節目の時に立ち会えるのは貴重な経験で、愛玩動物看護師としての新たな道を1から作っていける楽しさもあるはずです。

愛玩動物看護師は、将来性のある魅力ある職業といえるでしょう。

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